![こんにちは!村田裕子です。
2006年より新コーナー開設!
ここは、ひとことでいうと村田裕子の部屋。
福祉の枠にとどまらず、自由に生活者の視点で心に残った輝きを綴っていきます。
ここをクリックすると気持ちが少しだけゆたかになるかも…。 [img]こんにちは!村田裕子です](mura_img/mura_h1.gif)
80歳になる母と、毎朝決まった時間に携帯メールを交換している。「ごごから、くりにっくへいってきます」、「おてんきがいいのでせんたくね、はりきりましょう」など、母からのメールはすべて平仮名。それに私は、「はりきり娘で〜す\(^0^)/」と少しの絵文字も入れて返事をする。「すぐにごろりとよこになりたいね。もうなにもしないきぶんだね。だめだ!」と低調気味の朝には、「のんびり出来るのは年寄りの特権。大いにゴロゴロしましょう!」と返送。すると「またふとるよ、あは、は、は、」と、笑いの入ったメールが届く。
平仮名のみとはいえ、母とこのようなやり取りができるようになるまでには、たっぷり1ヶ月もかかった。右手に携帯電話、左手に家電話の受話器を持って、私は毎日喉が痛くなるほど同じ説明を繰り返した。時には、声を荒立ててしまう朝もあった。元気のないメールをもらうと気にかかるし、「きょうはどこかへゆくの?」という質問にも閉口した。どこへ行くの、何をするのと、監視をされているようで気が重くなるのだ。
とはいえ、毎朝のことだけに、そうそう憂鬱になってもいられない。割り切って、こちらから先に「今日は取材で、○○へ出掛けてきます」と日程を書くようにした。すると母からは、意外にも「がんばってるね、きをつけていってらっしゃい」との返事。励ましのメールが届くとは、思ってもみなかった。そしてその一言は、素直に嬉しかった。そうか、母が元気のないときにも、「がんばってるね」メールを返送してあげればいいのかもしれない。電話と違い、メールならば優しい言葉もかけやすい。
別々に暮らし始めて四半世紀以上、歩いて10分ほどの所に住んではいるが、決してべったりの一卵性母娘というわけではない。だからこのメールは、親不孝娘の罪滅ぼしメール、安否確認を兼ねた不安解消メールとでもいったところか。それでも、平仮名だけの携帯メールは、母と私の新しいコミュニケーションツールとなっている。
出先で突然電話が鳴るのが怖いと携帯電話を携帯しない母と、同じく携帯電話苦手の私。ワンセグも2in1(ツーインワン)も無縁の私たちだが、ここで思い切って写メールに挑戦してみようと持ち掛けてみた。旅行先で綺麗な花や大きな富士山に出合ったとき、その美しさを写真で伝えたくなったのだ。母からは「やりかたをべんきょうしなければね、できるかな?たのしみ」と、前向きな返事が届いた。
気の変わらぬうちにと、お揃いのカメラ付携帯電話を購入。初写メールはピンボケで、少し曲がってしまったが、それでも母と私が頭をくっつけて笑っている。早速、待ち受け画面にも貼りつけた。
これで準備は万端だが、またしばらくは声を荒げての説明が必要になりそうだ。さて、いつになったら使いこなせることやら。漢字混じりのメールは望むべくもないが、一日でも長く続けられることを目標に特訓開始! 「ではこれで、ばーい」